ひつじのうた
この作品を知っている方で”ヴァンパイア系”とする事に抵抗がある場合が有るかも知れません。が、主人公が自らを吸血鬼と表現していること、いくつかのサイトさんで”吸血鬼系”作品に分類している事、なにより作品自体がすばらしいことでどうしても書いてみたいと思いました。
作品あらすじ
高城一砂は幼い頃に母を亡くし、父親の元を離れ、父の友人である江田夫妻の元でごく普通の生活を送っていた。
そんなある日、一砂は、同じ美術部の八重樫の絵のモデルをしているとき、真っ赤な絵の具を見て倒れ てしまう。そして、何かに導かれるように、かつて両親と暮らしていた家を訪れる。そこで実の姉、高城千砂と再会する。姉の千砂は、父親と別の所で暮らしていたが、父が死んだのでこの家に戻ってきたというのだ。
父親の事を知らされていなかった一砂は千砂に何故教えてくれなかったか問うが、返ってきたのは意外な言葉だった。
登場キャラクター
高城一砂(たかしろ かずな)
千砂の弟。幼い頃、父親の友人であった江田夫妻の元に預けられる。江田のおじさん、おばさんの愛情を感じているのに素直になれず、無意識に優等生を演じてしまうのだが、そのことに無理を感じ始めていた。ごく普通の高校1年生として、学校生活を送り、想いを寄せる少女(八重樫)もいる。ある時幼い時の記憶が蘇り、引き寄せられるように実の両親と住んでいた家に行く。
高城千砂(たかしろ ちずな)
遺伝性の不治の病である、人の血を欲する【吸血病】を幼い頃に発病し、世間から自分を隔離させ、自ら孤独を選んで生きている少女。17歳の現在まで、医者でありこの奇病の研究者でもある父親と二人きりで生きてきた。
八重樫葉(やえがし よう)
一砂の同級生。一砂に想いを寄せているが、その気持ちを伝えることが出来ないでいる。めったやたらに笑わないが、一砂の前では思わず笑顔を見せたりもする。美術部に所属していて、放課後は一人黙々と絵を描いている。
水無瀬(みなせ)
千砂の父親を師と仰ぎ、医師への道を進む。父亡き後、千砂の主治医となる。その一方で、千砂に対し愛情を感じているが、それを表すことが出来ない。この世でただ一人、千砂の病気を理解し、千砂に頼られる事で密かな幸せを感じていた。
木の下(きのした)
砂の同級生、一砂が養父母との事を相談したり出来る唯一の存在。明るく一砂を励ます。一砂と八重樫の密かな互いの思いを応援してもいる。
江田夏子(えだ なつこ)
一砂の養母。仕事を持っているため、家には不在がちである。日常生活で一砂との触れ合いが少ないことで、一砂との関係が上手に築けず、ストレートに感情表現ができず、一砂もその影響を受けるからなのか、二人の関係はどこかギクシャクしている。愛しているのにうまく伝えられず、そのことに苛立ちを感じている。
江田新(えだ しん)
一砂の父親の友人で養父。幼い一砂を託された。妻、夏子との間に子供は無く、一砂を本当の息子と思い、大切に育ててきた。高城家の奇病についてもある程度の知識はある。新さんと呼ばれている。
吸血鬼系漫画と定義したとしても、バトルも無ければグロもありません。H系もありません。純愛です。少なくとも私は感動はしていませんがソッチ系です。全く個人的な了見で恐縮ですが、本来私は恋愛系も感動系も好みません。しかし、ごく稀に好きになる作品があります。その一つにあっさり加わりました。
ネタバレ微妙で上手く書けませんが、いわゆる魔物の吸血鬼ではありません。人の血を欲する奇病に遺伝的に犯された兄弟の物語です。悲哀系のヴァンパイアモノがありますが、その悲哀だけを抜き出して永遠を引くとこの部分が残るんでは無いかと思います。
どちらかと言えば少年コミックですが、絶対女の子にもオススメです。画に若干クセは有りますが、読んでしまえば気にならないでしょう。
コミック表紙
作者/レーベル (敬称略)
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冬目景作/幻冬舎コミックス
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ヴァンパイア分析
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呼称・種類 |
――――
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吸血衝動レベル |
強
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吸血結果 |
――――
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お気に入りキャラ
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八重樫葉 |
<OVA>
羊のうた<OVA>
羊のうた<コミック> (この記事のTOPへ)のOVA版です。 ストーリーは原作に忠実ですので、コミックの補完としています。
登場キャラクター
高城一砂(たかしろ かずな)
高城千砂(たかしろ ちずな)
八重樫葉(やえがし よう)
水無瀬(みなせ)
江田夏子(えだ なつこ)
江田新(えだ しん)
紹介文は羊のうた<コミック> 参照
一砂の学校の友達である木の下の登場が極端に減ったこと、ラストがわずかに変更されていること以外はコミック原作に極めて忠実です。全4話実質90分くらいですが、劇場公開ならともかくすこし詰め込み過ぎていて、あと2話くらいの枠で仕上げて欲しかった気がします。
圧倒的なのが映像の美しさです。CG全盛の昨今、キレイな映像は決して珍しくありませんが、OVAなのに映画並みのクオリティで作られているようです。
もともと動きの少ない物語ですから、もしかしたらアニメ向きの原作では無いのかも知れません。その中で単に美しいだけでなく表現方法にも工夫が見られ、むしろ芸術性が感じられる作品になっています。
制作会社/原作 (敬称略)
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マッドハウス/冬目 景
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参考(^^ タグ
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HITSUJI NO UTA
HITSUJI NO UTA OVA |
羊のうた<実写>
羊のうた<コミック> (この記事のTOPへ)の実写版です。 ストーリーは原作に忠実ですので、コミックの補完としています。
高城一砂
高城千砂
八重樫葉
基本的なストーリー、設定は漫画版に忠実です。舞台がやたら山の中の街になっているのと、他のメディアではそれほど重視されていなかった神社が重要なシーンに多様されています。
DVDパッケージ
特別版
お気に入りキャラ
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高城千砂 |
千砂と葉の一砂との三角関係のような恋愛パターンが強調されており、吸血鬼系のホラー的な要素は見られません。純粋に不治の病と位置づけている感じで、結果として葉の出番が増えています。
ラストは原作を踏みながらもオリジナルで収めています。ネタバレ半分コメントですが、手抜き感とリアル感が半分半分といったところでしょうか。
http://vampmania.blog.shinobi.jp/%E7%9C%9F%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/%E7%BE%8A%E3%81%AE%E3%81%86%E3%81%9F_667羊のうた
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