作品あらすじ

人類は枯渇した化石燃料に代わるエネルギー源として宇宙太陽光発電システムと軌道エレベーターを実用化していたが、莫大な建造費が必要なこれらのシステムを所有しその恩恵が得られるのは「ユニオン」、「AEU」、「人類革新連盟」の世界三大国家群のみだった。それらの超大国間には全面的な対決こそ無いものの熾烈な軍備開発競争による冷戦状態が継続し、また、いずれの国家群にも属せなかった小国は貧困にあえぎ、紛争や内戦を繰り返していた。  ＜Wikipedia＞

登場キャラクター

刹那・F・セイエイ

中東クルジス共和国出身。かつて信仰のためと信じて両親を殺害し反政府ゲリラ組織の少年兵となった。この経験から戦争行為の根絶を体現する機体であると定義されるガンダムを兵器以上の存在として捉えており、その存在に神を見出して自分もそのような存在＝ガンダムそのものになろうしている。

ロックオン・ストラトス（ニール・ディランディ）

ガンダムデュナメスのマイスター。その優れた狙撃能力を買われソレスタルビーイングにスカウトされた。明るく陽気な青年だが、テロ行為に対して激しい憎悪を抱く。ソレスタルビーイングとして人を裁く代償に、世界の変革に成功した暁には自らも裁きを受ける覚悟を持つ。

アレルヤ・ハプティズム

幼少期に人革連の「超人機関」で「被検体E-57」として人体実験を受けていた過去を持ち、それにより本名を含めた全ての記憶を失っている。その時に出会った少女マリーから「神に感謝する言葉」を意味する「アレルヤ」という名前を授かる。

ティエリア・アーデ

中性的な美少年風の顔立ちと眼鏡が特徴のマイスター。ソレスタルビーイングメンバーの中でも際立って謎が多い人物。



スメラギ・李・ノリエガ

ガンダムが行う作戦立案をほぼ一手に手掛ける優秀な戦術予報士。艦長ではないが、リーダーとしてプトレマイオス全体の指揮を行っている。大胆かつ繊細な作戦を得意とし、周囲からの信頼も厚いが、作戦中にも平気で飲酒しているところを注意されることも少なくない。



マリナ・イスマイール

中東の新興国アザディスタン王国の第1皇女。元々は音楽の道を志していたが、王制の復活に伴い、王族の血筋を引いていたために皇女に選ばれた。



実現可能性が本当に議論されている「軌道エレベーター」や実用化にあまり問題が無いと思われる「宇宙太陽光発電システム」が実働している未来、それでも人類は原油をめぐる争いと根を同じくした対立や地域間紛争が絶えずに戦争の日々を送っている…と言うなんとも言外のテーマ性が高い作品。「ガンダムは未来に渡って実現不可能ですよぉ」と生みの親とも言える人が某大学で断言されていますが、軌道エレベーターは十分実現可能な技術です。

そんな現実感を反映してか”西暦”が使われています。作品に啓示めいた部分は強くないけれども、全体として他作とは違ったテーマ性を持たせたかったのかも知れません。

ぶっちゃケBL要素がほんの少し混じっています。個人的にはイヤです。が、その他は非常に良く出来たストーリーで各国家群や組織にも現実感が高い。高い能力を持つものとして”イノベイター”が登場しており、その立場・行動もかなり独特です。微妙な萌えキャラも健在でキッチリ楽しめる作品です。